キャブレターとはクルマやバイクへガソリンと空気をうまく混ぜた混合気をエンジンに送る
装置のことを言う。
今日はキャブレターの視点から白物家電化するクルマやバイクについて独断と偏見で
考察したいと思う。
昨今、エコエコブームの日本ではキャブレターのクルマやバイクは販売されていない。
全てフューエルインジェクションシステム(以下Fiと呼ぶ)搭載の電子制御燃料噴射装置へ置き換わっている。
それはなぜか?
燃費がよく、新排ガス規制をクリアできるからだ。
Fiにはコンピュータが搭載され、エンジンの回転数、アクセル開度、負圧、外気温、酸素濃度、気圧をセンサーで測定し、その時の最適な空燃比を計算した混合気をエンジンへ送る。
また何等かの理由でシリンダーで完全燃焼しなかったガスを残留酸素濃度センサーで検知し、再びシリンダー内へ戻す2次還元装置を設け、徹底的に燃料のロスがない工夫をしている。
そのため燃費が良くなるのだ。
燃料噴射装置をキャブレターからFiに替えるだけで燃費が良くなるのだ。
そのため厳しい日本の排ガス規制をクリアすることができニューモデルを販売することができる。
つまり、この新しい排ガス規制をクリアすることのできないモデルは生産終了となる。
ここまでFiについてまとめると、とても素晴らしくまさにエコ時代に必要とされている理想の装置のように思える。
しかしそんなFiには欠点がある。
ドライバーやライダーの意思が反映されないのだ。
繰り返しになるが、Fiの燃料噴射はコンピュータが制御している。つまり人間ではない。
例えば「今この瞬間、前の車をブチ抜いて全開走行したい。」って場面があったとする。
Fi搭載バイクの場合、アクセル全開にすると、タイムラグが発生してから加速をし、そこまでの急激な加速をしてくれない。よってヘタするとそのタイムラグのためブチ抜くチャンスを失うかもしれない。
それはなぜか?
アクセル開度をコントロールしているのはライダーではなくコンピュータだからだ。
コンピュータは排ガス、2次還元装置、燃費、エンジン回転数を最適化することが第一の優先順位であり、前の車を抜くことは2の次なのだ。
これがキャブレター車だった場合、忠実にアクセル開度に従った瞬間、大量の燃料が噴射されフル加速することが可能である。瞬時にライダーの意思が反映されるのだ。
少しキャブレターの仕組みについてみてみよう。
キャブレターにも負圧式や強制開閉式とかいろいろあって詳しく説明するとややこしいのでここでは割愛する。
簡単に言うと混合気をエンジンに送る量を変化させるバルブ(スライドバルブ)が直接アクセルワイヤーとつながっているため、ライダーがコントロールできるのだ。
つまり、ライダーの意思が直接キャブに反映される。
うまいライダーが扱えば高出力を発揮し速く走るが、へたくそが扱えば失速する。
一方、Fiはライダーの意思をコンピュータが判断してくれる。
うまいライダーにとってはその判断が間に合わずキャブのタイムラグがあるため、じれったいが、へたくそが扱ってもそこそこ走ってくれる。
またどんなに乱暴なアクセルワークをしようがコンピュータが制御しエンジンにダメージを与えるようなことはない。
クルマに関しては、ABSブレーキは当たり前、へたすりゃレーダーで自動ブレーキなんてのも付いてる。
極めつけはアラウンドビューモニターなんてもので上から駐車する様子をモニターに出せたりもする。
全てコンピュータ制御により、人間はやることがなくなり、考えなくなりどんどん退化しているように感じる。
クルマを単なる移動手段の道具としてみるなら便利な方がよい。カーナビ、レーダーブレーキ、横滑り防止装置、アラウンドビューモニター、全自動トラクションコントローラーAWD、自動スライドドア、オートワイパー、オートライト、クルーズコントロール
便利です。
カーナビに関しては、裏道を知らないカーナビ通りに走るアホが増えたおかげで、裏道は走りやすくなっているのでどんどん普及すべきだと思う。
そのうち自動運転でしょうか…
つづく→