16歳の時に原付の免許を取った。
それまではチャリンコが主な移動手段だった。
チャリンコで地元から江の島に行ったり(片道17km)
と行動範囲がとても広がったが、たかが原付でも
さらに行動範囲が広がった。
これはチャリンコに乗っていたからわかることで
当たり前のことなんだけど坂道は楽だし、子供心に
「これで日本中を回れる」なんて思っていました。
高校の時、無謀にも神奈川から京都まで原付で往復した。
あれから10年が経ち、普通自動二輪車、大型自動二輪車
の免許を取り、大型バイクをずっと手放さずに乗っている。
車がなくて仕方なく乗っているのではなく、2000cc
ハッチバックの外車も所有している。
オートバイとはとてもつらい乗り物である。
夏は爽快に走っているように見えても、
アスファルトの照り返し
バイクのエンジンから出る排熱
ライダーの長袖ジャケット、ブーツ
汗だくです。。
冬は汗だくにはなりませんが、冷たい空気を切り裂いて走るため
体感温度は気温のー10℃ぐらい。真冬のスキー場並みの寒さを
冬晴れの関東で味わえます。
おまけにスキーだと運動するからまだ身体が発熱するが、
バイクは基本的に座っているだけなので、どんどん体温が奪われていきます。
寒いので休憩するたびにオシッコするし、チ〇コは幼稚園児並みの縮み具合ですよ。
さらにオートバイはちょー危険な乗り物だ。
こっちが悪くない事故でも下手すりゃ死亡事故。
幸い自分も数回の事故を経験し骨折等の重傷を負ったこともあるが
まだ自分を含めて回りのバイク仲間でも死んだ人間はいない。
しかし事故の後遺症で人生を棒に振ったやつはいる。
普通の人はこう言うだろう
A「いい年してバイクなんか乗るなよ」
B「車の方が楽だろう」
C「骨折したのにまだ乗り続けるのかよ」
D「事故を起こしてから後悔しても遅いよ」
E「バイクはお金出せば直るけど人の命や身体はお金では買えないよ」
俺の回答
A「そーなんですけどねぇ~。世間体もありますしね~」
B「そりゃ車の方が楽ですよ~エアコンあるし安全だしね」
C「アホだよね~」(完全に他人事)
D「おっちゃる通り正論ですね。」
E「まったくもって正論ですね。」
オートバイに乗り続けている人はこの意見をわかったうえで乗っている
のです。
じゃあなぜこんな乗り物に乗るのか?
単純にオートバイで走ることがとてつもなく「楽しい」から
じゃあ「ほかの楽しみ見つけろよ!!」って言う意見が必ず出ますが
この感覚は他では味わえないのです。
人間の中に眠っている動物的本能をくすぐるというか、
そんな危ない香りのする楽しさなのだ。
肌で風を感じることができるので湿気や空気の匂いで
人より天気や季節の移ろいがよくわかる。
車と違いオートバイは燃調コントローラーを装備していない車両が多いので
湿気の多い日は吹け上がりが重くなり「モー」って感じの音になる
また、乾燥した冬晴れで空気の密度が濃い日は、きれいな音を奏でる。
マフラー音で普段、俺らが呼吸している空気の状態がわかるのだ。
また基本的に身体がむき出しの危険な乗り物なので
緊張感が生まれ本能的に神経がピンとなり動物的な感覚がよみがえる。
この感覚は自衛隊の訓練でいつ敵に攻撃されるかわからない状態
で行軍する張りつめた緊張感に似ている。
平和な日本では普段感じることのできない感覚だ。
どこへ行くにも混んで、並んで、駐車場代がかかる日本で気軽にブラっと出れるの
も楽しみの一つだ。
女と別れて、夜の江の島で一人反省会なんてのもバイクがなきゃできないぜ。
他にもまだまだあるのだが、これらをひっくるめて走ることが楽しいのだ。
クルマでは味わえない感覚なのね。
俺のバイク仲間も学生卒業し、社会人になり結婚すると乗り続ける人もいるが大抵
の人はオートバイを降りる。
自分だけの命じゃなくなるので賢明な判断だし、命あっての人生、バイクだけが人生
ではありませんから当然です。
さびしい気持ちもあるが、僕には人生のスパイスとしてオートバイが必要なので
降りるつもりはない。
きっと乗り続けている人は同じ気持ちだと思う。
宝くじや万馬券で大金持ちにでもならない限り、
大概の人にとって人生とは同じ毎日の繰り返し、たまに違うことや楽しいことが
ある程度。
そんな人生に素敵な女に逢った時のようなドキドキ感や緊張感を与えてくれ
ちょっとしたスパイスを利かせてくれる相棒が俺にとってはオートバイ。
僕も独り身ではないので、
周りに迷惑かけず
家族に心配をかけず、
ゆっくり安全運転で無理せずに
いつまでも乗り続けられるようにしたい。
すべてのライダーの安全を心から願っています。
No MotorCycle No LIFE!!!